アシックススポーツミュージアム

平成24年度 第2回見学会報告

開催日:平成24年11月13日(火)

見学先:アシックススポーツミュージアム

報告者:立尾 維將

平成24年11月13日(火)、アシックススポーツミュージアムを見学させていただきました。

アシックスは、昭和52年7月21日、オニツカタイガーブランドのバッシュ(バスケットボールシューズ:私も中学時代に愛用していました)で有名なオニツカ株式会社と、スポーツウエア・用具メーカーの株式会社ジィティオおよびスポーツウエアメーカーのジェレンク株式会社の3社が合併し、現社名:株式会社アシックスとなり、一躍世界的総合スポーツ用品メーカー(平成24年3月期の売上が連結ベースで2,477億円)として今日に至っておられます。

今回訪問させていただいたアシックススポーツミュージアムは平成21年7月に、アシックスの企業博物館として開館されました。

アクセスは三宮でポートライナーに乗り換え下車、中埠頭駅徒歩2分にあり、開館時間:10:00~17:00、休館日:毎週日曜日、月曜日、祝日、入館料無料(要予約)の施設です。

見学ルートは、まず2Fの創業から現在まで、商品を通してアシックスの起業理念を感じるフロアのヒストリーフィールドから始まります。①シアタールームで「世界のアシックスへ」「響きあう心」「ものづくりの心」の3部構成で綴るアシックスの歴史」を約11分間の映像でお見せ頂く、②アシックスの創業から現在までを、史実とその時代を象徴する商品で紹介するコーポレートヒストリーコーナー、③有名選手(イチロー選手等)の使用していたシューズなどを選手のプロフィールとともに紹介するアスリートヒストリーコーナー、④アシックスの活動、サポートを、オフィシアル商品などを通じて紹介し、各競技種目の用具・グッズのほか、過去のオリンピック公式ウェアも展示しているプロダクトヒストリーコーナーを見学しました。特に印象的だったのは、③コーナーのアシックスがメジャーリーガーイチロー選手に対し、スパイクシューズを年間約100足超提供し、また、そのシューズが毎年毎年微妙に変化をしているということでした。このような妥協を許さないアシックスの協力によって、イチロー選手がメジャーリーグで年間最多安打や10年連続200本安打を達成できたのだと思います。

次に、1Fのアスリートの素晴らしいパフォーマンスを体験したり、競技シューズやウェア・用具を見て、触って、知ることで、凄さを感じることができるフロアを見学します。

①実際に使用する陸上競技用具に人物のシルエットを重ね合わせ、世界記録によるトップアスリートの凄さを表現し、実際に使用するシューズや用具にも触れることができる「走」「跳」「投」のコーナー、②100m走の速さや3段跳びの距離、ピッチャーの投げるスピードボールをLEDのライトで表現したスピードアトラクションの「音と光と映像のスタジアム」、③さまざまな競技種目のシューズやウェア・用具を展示する「触」(タッチ)のコーナーを見学しました。ここでは特に②コーナーの100m走の速さや3段跳びの距離、ピッチャーの投げるスピードボールを実際に体感でき、世界的なアスリート達がいかに超人的であるかを知ることができたことが印象に残っています。

今回、アシックススポーツミュージアムを見学させていただき、今日何故世界のトップアスリートを含む多くの消費者がアシックスのシューズや用具を使用しているのかが分かった気がします。それは、初代社長の鬼塚喜八郎氏の大きな志(「動機は善なるや、私心なかりしか」ということ。つまり、自分の私利私欲だけが動機なのか。それとも人のためや世の中のために役に立ちたいのが、動機なのか。金儲けが動機だったり、自分の私利私欲だけが動機だったら、そんなものは志でも何でもない。)だと思います。そしてもう一点は、鬼塚氏の経営戦略(市場の中のある一点に集中して、掘り下げていくその一点に集中して、その消費者に合う商品を開発していく。そしても一つはある商品を開発するときに、まず消費者のトップ層をターゲットにすること。例えば、バスケットシューズを開発するなら、バスケットのトップレベルの選手のニーズを徹底して調査する。とことんニーズを汲み取って、技術を開発し、商品化する。そうすると、そのトップ層の選手の動向を気にしている第二層が真似をして、その商品を買うようになる。今度はその下の中間層も、それに追随する。そうやって、その商品は市場に浸透する。)が今日のアシックスの繁栄に繋がったのだと思います。

今回は素晴らしいミュージアムを、スタッフの方によるご丁寧な説明を賜りながら見学をさせていただき、誠にありがとうございました。