あべのハルカス見学会

 平成26年度 第1回視察見学会報告
開催日:平成26年9月25日(木)
見学先:あべのハルカス
報告者:鴻本久美

 地上300メートル、日本一の高さを誇るあべのハルカス。その視察見学会が開催されました。多くのメディアにも取りあげられ、旬の人物来場のニュースから業績の発表まで、今年3月7日のグランドオープンから半年が経過した今も、話題の尽きないあべのハルカスです。
 今回の視察見学会は、①ハルカスについての説明、②展望台見学、③懇親会の3部構成で開催。平日の午後にも関わらず30名を超える皆さんが参加され、その期待ぶりが伺える熱気のなか、まず始めにハルカス紹介の映像を見せていただきました。そのあと、近畿日本鉄道株式会社 あべのハルカス事業本部事業部課長の能美慎次郎氏より、「あべのハルカスが目指すもの(地域との協働)」と題して、1時間ほどの説明をお聴かせ頂きました。
 近鉄では、沿線を住宅地、観光地、ターミナルと分類し、その開発に取り組んでいるとのこと。
住宅地開発では、太陽光発電を取り入れたスマートシティの実証実験に着手。また、観光地としては京都、奈良、賢島、そして阪神乗り入れによって加わった三宮を中心に事業開発が行われ、昨年より伊勢神宮の式年遷宮に合わせて新型観光特急「しまかぜ」の運転を開始。とても人気を集めているそうです。そして、最大のターミナル開発として取り組まれたのが、旧本館の全面建て替えによるハルカス建設事業です。
能美氏は、「近鉄グループは鉄道、不動産、流通、ホテル・レジャーを4つのコア事業としていること。その事業の複合化と連携によるシナジー効果を発揮させるべく、具体的には、ホテル×オフィス×百貨店×展望台×美術館=新たな価値・独自の魅力の創出を体現する空間として、立体都市『ハルカス』が誕生した」という経緯を、熱く語られました。また、高さ300メートルの実現については、建設計画の途中、なぜか高さ規制の地域から外れたこと、大阪市の「都市再生特別地区」の都市計画が決定したことなど、追い風となった事柄もあったと伺いました。
さらに能美氏は、こうして誕生したハルカスの目指すものは「地域との協働による都市の活性化です」と続けられます。キタは働く、ミナミは遊ぶ、あべの・天王寺は暮らす街との位置づけから、この街に息づく文化や自然、歴史、人々の暮らしに寄り添い、地域との連携によって街全体を盛り上げたいという発想。そのひとつ、天王寺動物園との連携では、キリンを購入し動物園に寄贈したそうです。そのキリンの名前もそのまま「ハルカスちゃん」。地元との一体化したプロモーションに一役買っているとのことです。
 壮大な建設計画から、キリン購入のエピソードまで聴かせていただいたあと、いよいよ地上60階の展望台へ。エレベーターの上昇スピードに驚いている間に最上階へ到着。まず目に飛び込んできたのは東大阪方面。密集する建物が生駒山のすぐふもとまで続きます。北方向は緑が多い街並み。大阪城がかなり小さく見えたのが、展望台の高さを物語っています。谷町筋を追ってその先、見えるか見えないかくらいの先は京都方面です。そして西には大阪湾にユニバーサルスタジオジャパン、さらに六甲山を望み明石海峡大橋までしっかり見えます。その続きを回遊したあと58階へ降りると、天空庭園に出られます。上空までの吹き抜け構造で、地上300メートルの空気を感じることができる癒しの空間です。それぞれに景色を満喫し、視察見学会はいったん解散となりました。
 そのあと、21名の皆さんのご参加で懇親会が開催されました。会場は、あべのハルカス13階の「京都北山ダイニング」。昨年末より実施しています大阪販売士協会メンバー有志によるお食事会の3回目として開催。普段、講演会や販売士塾のあとの交流会ではなかなかじっくり話すことのできない会員の皆さんと、ゆっくり食事をしながら懇親を深める集まりです。お酒もほどほどに入って和やかな雰囲気であっという間の2時間。途中には、夕日の沈む間際の美しい景色も堪能。そしておしまいは、恒例の大阪締めでお開きとなりました。
 大阪の新しいランドマーク「あべのハルカス」。上本町や四天王寺とも一体となって、上町台地から発信される街の賑わいが大阪全体の活気につながることを、大きく期待したいと思います。