りんくうプレミアム・アウトレット

平成27年度 第1回視察見学会報告

開催日:平成27年9月8日(火)

見学先:りんくうプレミアム・アウトレット

報告者:真殿 泰男

 今回の視察は今年で開業15周年を迎える「りんくうプレミアム・アウトレット」を視察し、当アウトレット運営されております三菱地所・サイモン株式会社 マーケティング担当の岩﨑 崇良様から施設及び売場概要・インバウンド対策等の現場の意見を伺うことができました。

 「りんくうプレミアム・アウトレット」は、2000年11月23日にオープンし、今年で15周年を迎えます。敷地面積は約86,500㎡(甲子園球場の約2個分)の敷地に国内外の著名ブランドが約210店舗揃う「駅近アウトレット」国内最大級のアウトレットセンターです。JR西日本・南海電車「りんくうタウン駅」から徒歩約6分 関西国際空港の対岸「りんくうタウン」内に立地しアメリカの歴史ある港町チャールストンをイメージした2層のリゾート感あふれる美しい街並みが魅力です。

 岩﨑様にお話しいただいた中でも、以下の3点の取り組みについて印象に残りました。

一つ目は、りんくうプレミアム・アウトレットの特徴と戦略、二つ目は、顧客拡大への取り組み、三つ目は、インバウンド対策についてです。

 まず、第一にりんくうプレミアム・アウトレットの大きな特徴は、関西圏にある三田アウトレットセンター、竜王アウトレットセンターとの大きな違いとして、日本でも数少ない、駅に隣接するアウトレットモールであることが大きな特徴です。他のアウトレットでは、車もしくは、シャトルバス等で施設を訪れることが必要ですが、気軽に公共交通機関を利用してお買いものが楽しめるのは大きな利点です。顧客の増加に伴い、今まで4回増床を行い、話題のブランドや一日施設で楽しめる工夫をし、支持を得ています。

 第二に、顧客拡大への取り組みとして、南海電車と連携し「りんくうプレミアム・アウトレットきっぷ」(往復乗車券タイプ)、関西国際空港を利用するお客様には「りんくうプレミアム・アウトレットきっぷ」(片道乗車券タイプ)、大学生限定のクーポンシートなどの企画を打ち出しています。

 特にその中でも、人気を博している企画として南海電車と連携した企画です。南海往復券にアウトレットで利用できるお買い物券(1,000円)がセットになった割引きっぷです。通常なんば駅から利用すると2,520円が2,010円になり約2割お得になり、車離れが進んでいる若者層や大阪市内などに居住している若い夫婦やカップル等に人気を得ています。

 今回お話を伺った中で私が一番興味を持ったのがインバウンド対策です。特に驚いたサービスが3点ありました。まずはムスリム用(イスラム教徒)のお祈りの部屋、次に接客時、多言語通訳のサービス、最後に免税ショップが133店舗もあると言うことでした。

 その中でもムスリム用のお祈り部屋は今まで話には聞いておりましたが、部屋を見せて頂くとメッカの方向の矢印や、足を洗う場所などがありました。以前ではアウトレットモールの道でお祈りをする方が多く見受けられたことをヒントにこの部屋を作ったと聞いて驚きました。今でも月に20組程の利用があり他宗教を尊重する気持ちに触れることができました。それ以外にもお客様の言語が話せる販売員がいない場合には電話で通訳するシステム等があり、海外のお客様をおもてなしする体制が整っていることに驚かされました。そして店舗の210店舗中の133店舗で免税ができること、そして今後も増加していく傾向にあると説明を受けました。見学に訪れた日も平日でしたが、海外からのお客様が大半でした。東京オリンピックの2020年まで海外のお客様が増加することが予想されているとお話でもありましたので、小生も小売業に携わるもととして今後インバウンド対策に力を入れていきたいと考えております。