「AIってどうなん?」


日 時: 平成30年3月5日(月)
会 場: マイドームおおさか 8階 第5会議室
テーマ: 「A.I.ってどうなん?」
塾 長: 横山経営研究所 代表 横山 昌司 氏
報告者: 永尾聖司

 3月5日マイドームおおさか8F、第5会議室にて、横山塾長をお招きし「A.I.ってどうなん?」というテーマでご講演を頂きました。
人工知能(A.I.)は、音声アシスタント、翻訳、画像検索、文字認識、おすすめ情報の提示(レコメンデーション)、経路探索(ナビゲーション)など、我々の身の回りにある様々なシステムへ既に活用されています。

 一方で、これら人工知能を携えたシステムが「何かを考えているように見える」様は、頼もしくもありながら、未知の領域に触れる怖さと危機感を漠然ながら抱いている自分がいることにも気付かされます。
 ご講演は、(1)A.I.が1950年代より始まった第一次ブームからこれまでに歩んできた歴史、(2)ニューラルネットワークや機械学習といったキーワードに代表されるようなA.I.に係わる研究分野の最新事情を踏まえ、(3)A.I.の展望及び課題について、わかりやすい内容で丁寧に解説を頂きました。
 それぞれ概要をまとめると次の通りです。


 (1)いずれも人間が専門知識や規則設定の入力を行わなければならず、基本的には入力知識以上のスペックを発揮することはなく衰退期を迎えたのが、A.I.の第一次(1950年代~)、及び第二次ブーム(1980年代から)であること。これに対して、第三次ブーム(2010年代~)は、機械学習という技術により膨大なデータをもとにA.I.が自らルールを作成することが出来るようになったこと。

 (2)A.I.業界に第三次ブームが、コンピューターが大量のデータを処理しながら「仕分け」の方法を自ら学習する、いわゆる“機械学習”の研究分野が進歩したことで引き起こされたものであること。

 (3)今後近い将来、一台のパソコンが全人類の能力を超える(等価となるのは2029年頃)と予想されており、この予測をもとに今後5年以内に多くの雇用が失われる可能性があること。一方で、A.I.が人の想定を超えて導き出す結果が生じる可能性や、トロッコ問題に代表されるようなモラルジレンマにA.I.がどの様な結論付けを行うのか、など今後の課題として挙がっていること。


 以上の講演内容を踏まえて、近い将来にA.I.が代役を務めることで、今後予想される“なくなる職業ならびに残る職業リスト”をもとに、横山塾長とディスカッションを行いました。小売業がこのリストにおいて、なくなる職業として挙げられていましたし、私が想像するところの”残るだろう職業“がほぼ全てA.I.によって代行可能との塾長のコメントは少なからずショッキングな事実でした。


 私がこれまでの経験を基に積み上げてきた仕事に対する考え方や方向性に不安や脅威(いささか怯え過ぎかもしれませんが)を感じる一方で、今後残る仕事として次の様なキーワードも塾長より挙げて頂きました。
 ・エキスパートシステムの設計・構築を行う仕事(ナレッジエンジニア)
 ・対人コミュニケーションが中心の仕事(学校教師、カウンセラー)
 ・最後の意思決定を求められる仕事(経営)


  前者2項目のスキルをいまから身につけることは難しそうですが、最後の項目は(ギャンブル性の高い仕事での勝率が決して高い、とは云えない事実を棚にあげれば)、私でも何とか勤まりそうで少し安堵しました。
 さて、皆さんは私の拙い概説をご覧になられて、どの様に感じられたでしょうか。それほど遠くない未来に訪れるであろう、A.I.との共生時代を前にして受け入れる心の準備について、明るい未来を迎えるためには早めに進めておいたほうが良さそうです。
 以上簡単ながら、私より報告と感想でした。