「まほうびん記念館」/大阪企業家ミュージアム


開催日:平成31年2月1日(金)
見学先:象印マホービン「まほうびん記念館」 / 大阪企業家ミュージアム
報告者:太 田 昌 宏


 2月1日に象印マホービン『まほうびん記念館』と『大阪企業家ミュージアム』の視察見学会に参加させていただきましたので、ご報告させていただきます。

1.象印マホービン『まほうびん記念館』
 マーケティング、商品開発を生業としている身としては、象印マホービンさんの100年の歴史に触れて、たくさんの学びがありました。その中でも、まほうびんの歴史は、『お客様のお困りごとの解決の歴史』であることを強く感じました。
①卓上ポットの開発
お困りごと:熱湯が入った重いポットを毎回持ち上げることは、危険で面倒。
解決策:押すだけで、簡単にお湯が注げるようになった。
②ガラス製がステンレス製に
お困りごと:ガラス製のまほうびんは、落としたら割れて、使い物にならなくなる。
解決策:ステンレス製にして、水筒として安心して屋外に持ち運べるようになり、外でも温かい(冷たい)飲み物が手軽に飲めるようになった。(幼い頃、遠足で水筒を落として、ガラスが割れて使えなくなり、落ち込んだことを思い出しました(笑))
③マグタイプの携帯まほうびん
お困りごと:水筒を持ち運ぶのは、不便だし、すぐ飲めない。
解決策:直接ボトルから飲める飲みやすさと保温性を両立させたスポーツボトルが登場。まほうびんは、「家族が屋内で」から「個人が屋外のスポーツで」とユーザーと使用シーンが大きく拡がった。
④ⅰ-POT みまもりほっとライン
お困りごと:離れて暮らす親が、元気で暮らしているか心配。
解決策:まほうびんとIT技術を組み合すことで、離れて暮らす親が、自宅のポットを使用すると、契約者の携帯電話に利用記録が自動受信され、毎日の安否確認が可能になった。今流行りのIOTを2001年から実現していた、象印さんに「あっぱれ!」です。(一人暮らしの父親が、毎朝温かいお茶を飲む習慣があったので、私もさっそく契約したことを覚えています。)
さらに、「まほうびん」「象印」という『記憶に残りやすいネーミング』が、商品の普及やブランド化に大切だということと、“花柄デザイン”の卓上ポットの大ヒットで示されるように『情緒的価値』も商品開発には大切であることを付け加えておきたいと思います。

2.『大阪企業家ミュージアム』
 大阪を舞台に活躍した企業家たちのお話と展示は、コンサルタントとしての仕事のヒントを数多くいただきました。中でも、江崎グリコ出身の私は、創業者の「江崎利一」さんと日清食品の創業者「安藤百福」さんの語録が心に刺さりましたので、ご紹介させていただきます。
①江崎利一さん
『商売は2×2=5 2×2=4は、当たり前。さらに人一倍の努力と工夫をすれば、2×2=5にも6にもなる』
⇒私も上司から、いつも「創意工夫」を言われてました(汗)
『製品がどれだけ優れていてもそれだけでは、販売戦に勝てない。広告と販売は胃と腸のように一本でつながっている』
⇒まさにマーケティングの4Pが大切だということですね!
②安藤百福さん
『衝撃的な商品は、必ず売れる。それ自身がルートを開いていくからだ』
⇒イノベーションがヒットの源泉です。ピータードラッカーが言うように「マーケティングとイノベーション」が会社の基本機能ですね!
『食のあり様が乱れた国は、必ず衰退する。「食足世平」が私の信念である』
『仕事を戯れ化せよ。戯れ化とは、我を忘れ夢中に働くための最上の方法である。興味を持って取り組んだ仕事には疲労がない』
⇒これからも「MUST」ではなく「WANT」を求めて、日本の食品メーカーに貢献していきたいと決意しました!