小売業・サービス業のためのIoT活用術!

開催日: 令和2年3月5日(木)
講 師: 株式会社エムティブレイン 代表取締役  山口 透 氏
報告者: 平井 淳文 

 今年度第3回講演会は、小売業やサービス業においてのIoTの活用術について、株式会社エムティブレイン代表取締役の山口透氏にお話をいただきました。 
 最近よく耳にするIoTですが、その内容や活用事例を分かり易い解説をいただき、しっかりと理解できました。また、テーマはIoTですが、ITの話から始まり、IoTの概要や活用事例の紹介があり、さらには、AIの話も少し出てきたりと未来を先取りできるような内容となっていました。


 まず、IT(information technology)については、この情報技術の急速な発達がいかに企業の事業環境に大きな変化をもたらしたのかを解説いただき、その中での中小企業におけるITツールの活用状況について、導入企業が少なく十分に活用出来ている企業も少数であるという指摘がありました。
 次に、IoT(Internet of Things)については、システム原理の違いをITと比較して分かり易い言葉で、説明いただきました。まず、ITのシステム原理は、入力→処理→出力と、まだまだ機械的で単調であるのに対して、IoTは技術の発展により、”ありとあらゆるモノがインターネットに 繋がる”ことによって、今までの人間が自らデータを”入力”する作業が、”センシング”により自動入力に変わり、単調で機械的だった”出力”が、データを活かしていろいろなことを自動で進める” 分析/制御”へと進化したことを解説いただきました。
 そして、センシングの要である、センサーについては、代表的な加速度・温度・湿度・照度・ 音・対人・ボタンなどのセンサーを実際に手に取る時間が設けられ、さらにセンサーを使ったプログラム実演もいただきました。プログラムを使うと様々な分析や制御がより自由に活用できることを学ぶことができ、普段の業務での活用方法があれやこれやと思い浮かび、この新しい技術の可能性をより身近に感じました。

 
 講演会では、実際の事例も幾つか紹介いただきました。まずは、養蜂業の事例では、巣箱の温 度・湿度をセンシングすることで、手作業であった確認作業が大幅に軽減され、製造メーカーの事例では、複合機の遠隔モニタリング化で、消耗品の自動発注や、故障した場合の状態異常の自動検知・送付をすることでの作業の効率化が紹介されました。 
 また、IoTを使った新しい製品も紹介いただきました。飲食店向けでは、”キューブ型コールベル”このツールは、「お水」「次の料理」「片付け」「会計」「呼び出し」等とそれぞれの面に書かれたキューブの要件を上に倒す事で、店員が付けているリストバンドに要件とテーブル番号が表示される便利なものでした。在庫管理向けでは、”スマートマット”を紹介いただきました。このツールでは、商品の下に置く事で、重さを検知し、商品が少なく(軽くなる)と自動発注をしたり、さらには、一度手に取ったが戻された回数までも検知することができるとの事でした。

 
 今回の講演会を通じて、IoTについて理解が深まり、様々な便利なツールがあることを知ることができました。このような新しい技術を取り入れることによって業務の効率化や新しいサービスの提供が生まれる未来を見ることができたと思います。