2024年度 第1回講演会報告

開催日:2024年5月27日(月)

テーマ:「店舗DXが実現する 新しいマーケティング」

講 師:株式会社TOUCH TO GO  代表取締役社長 阿久津 智紀 氏

報告者:京 里美 

 今年度第1回目の講演会では、JR東日本に在籍しながら、新規事業をいくつも立ち上げられている、株式会社TOUCH TO GO(TTG)の阿久津代表取締役社長をお迎えし、『店舗DXが実現する 新しいマーケティング』と題して、他ではなかなかお聴きすることのできない、実際の取り組み事例を惜しみなく開示していただきました。

 TTGの提供するソリューションは、以下の5つ

  1. 安心安全クイックなお買い物

 買い物客がスキャンすることなく取得した商品を自動でレジに表示させるなど、省人化でかつセキュリティー性の高い、安心安全でクイックなお買い物を実現する。

  1. 遠隔監視と遠隔接客

 具体的には、AIカメラとセンサーやアラートを鳴らすことで、無人化・セルフ化の最重要課題といってもよい万引などの犯罪を抑止する機能があるうえ、クラウド型店舗管理システムにより、遠隔監視とコールセンター機能が様々な接客対応を遠隔で支援し、快適なお買い場を提供する。

  1. 簡易な出店形態

 什器・システムが一体化したバリエーションのあるパッケージで、既存店内でも簡単に展開ができるため、初期投資を大幅に削減することができる。

  1. 売上の最大化

 誰でも利用可能なフリー入店設計と充実したリアル決済による売上の最大化を促進。さらに、5か国語表示や音声対応でインバウンド客の取り込みを促進する。

  1. AI分析基盤

 詳細な顧客導線の活用は、売れ筋や死に筋商品の把握、また手に取ったが買わなかった商品のデータなども測定され、売り場・棚割など売上の最大化に活用できる。

 小売業界の課題を徹底的に分析し、試行錯誤のうえ、その解決策として提供する5つのソリューションは、多種多様な商品、販売方法にも対応する画期的なシステムであり、かつ人手不足や物価高騰による経費増加の課題も解消に導く、24時間営業可能な自動販売機型無人店舗を実現可能にしている。

 また、パッケージされたシステムの導入だけでなく、運営サポートサービスも提供しており、品出し、発注、清掃、棚卸などの現場での必須作業も代行可能で、痒いところに手が届くシステムで拡大展開中である。

 

 導入事例は、コンビニやスーパーはもちろんのこと、オフィスや工場、学校、病院、ホテル、駅や空港など様々で、「サテライト型無人店舗」「既存店省人化店舗」「有人無人ハイブリット店舗」「自販機式完全無人店舗」のバリエーションから、それぞれの立地条件や目的に合わせて導入しています。また、イギリス、ポーランド、ドイツなど海外でも展開が増えているとのこと。

 現在日本では東日本での展開が中心となっていますが、大阪でも買い物難民や商店街の空き店舗対策、様々な小スペースの利活用など販売士としていろいろな提案が可能ではないか?と、講演終了後は、講師の阿久津氏に多くの質問の手が挙がり、質疑応答の時間を十分にとっていただいていたにも関わらず、時間切れで質問できなかった会員も出たほどでした。

 終了後の名刺交換でも、なお質問攻めにされるなど、関西での拡大も大いに期待できるものと会員の皆さんにとって、非常に関心度の高い、有意義な講演となりました。

 最後に、ご講演いただきました阿久津代表取締役社長には、感謝の気持ちを込め、会員一同盛大な拍手でお応えしました。