2026年度 第1回講演会 レポート
百貨店の未来戦略
~「モノ」から「ライフデザイン」の提供へ~
開催日:2026年5月29日(金)
テーマ:『百貨店の未来戦略』
講 師:長谷川コンサルティングパートナーズ 代表 長谷川 豊博 氏
報告者:教育事業委員長 横山 昌司(横山経営研究所)
1. 百貨店業界の現状と歴史的役割の変遷
2026年2月末現在、全国の百貨店数は71社162店舗とピーク時(1999年)から約4割も激減し、4県が「百貨店ゼロ県」となるなど厳しい状況となっています。1960年代までの百貨店は食堂のカレーや屋上遊園地に代表される「ハレの日のイベント空間」でした。1970〜90年代の黄金期にはニーズが多様化し、CS(顧客満足)や最先端のライフスタイルを発信する拠点(セゾン文化等)へと進化しました。しかしバブル崩壊以降、ユニクロなどのSPAの台頭やECの進化に対し、従来のモデルでは通用しなくなっています。
2. 強みに変える「ABC戦略」
百貨店は顧客のライフスタイル創造に関わる「生活情報サービス業」へ転換すべきであるし、モノの持つ文化的価値を伝え、信頼関係を勝ち取るための強みとして、以下の「ABC戦略」が示されました。
•A(Authenticity):ほんもの力:専門性と信頼に基づく目利き力。
•B(Bond):きずな力:顧客生涯価値を最大化する継続的な繋がり。
•C(Communication):コミュニケーション力
3. 若年層に響く新たな顧客創出のメカニズム
また、最重要課題である若年層(20~30代)の獲得に向け、京都高島屋S.C.(T8)では任天堂の直営店をフックに若者を呼び込み、伝統工芸品やアートに触れさせる画期的な動線設計で成果を上げる悪鬼的な顧客創出モデルを紹介いただきました。
4. 人生100年時代に向けて果たすべき新機能
調査によれば、時間と経済に余裕がある「70代のシニア層」はセカンドライフへの意欲が高い一方で、「ライフデザインを信頼できる専門家に相談したい」というニーズを持っています。未来の百貨店は信頼関係を活かし、「総合伴走型のコンサルティング(新NISA等の金融窓口、リフォーム、健康)拠点」へと進化する必要があると提案されました。
5,結び
今回の学びは、単に百貨店の未来戦略としてではなく、流通の最前線に立つ我々販売士にとっても、ビジネスの本質である「顧客の感動や人生の価値の創造」を再認識させられる有意義なものとなりました。
YouTube公開期間:2026年6月10日~9月10日まで

