永楽屋細辻伊兵衛商店京都見学会
開催日 平成28年2月18日(木)
見学先 京都(烏丸御池~四条河原町)界隈の繁盛店巡り
報告者 河上 晃
2月18日に寒さも少し和らいだ京都の視察見学会に参加いたしました。
今回は、日本の和柄からモダンまでを表現している京都らしい三店を訪問しました。
創業400年を誇る手ぬぐいのお店「永楽屋細辻伊兵衛商店本店」、和雑貨のSPA(製造・小売業)専門店「くろちく本店天正館」、フランス人経営者の独自発想で話題の弁当箱の専門店「Bento&co」の三店です。
視察に先立ちまずは、瓢斗京都店で京懐石二段重、出汁しゃぶ(豚肉)ランチの昼食に舌鼓をうちました (希望者のみ) 。
13時に全員集合後は、コーディネーター鴻本さんの案内で永楽屋細辻伊兵衛商店本店さんに伺い、永楽屋十四代当主の細辻伊兵衛さんより直接に日本最古の綿布商永楽屋の事業展開、商品への思いをお話しいただきました。
事業の中心の「手ぬぐい」を身近に感じていただきながらも、「ほんまもんを知ろう」「手ぬぐいでのコスプレ」「20mの昇龍」など、「手ぬぐいで表現したアート」を中心にした事業展開をお話しいただき、「どの方向から見ても、良い事と思われることをやっていきたい」との思いをお聞かせいただきました。講演後は1階の店舗で斬新な発想の商品を鑑賞しました。
二店目の視察先は、「京おばんざい懐石」「くろちくブライダル」など京町家風の趣のあるお店展開をとおして「伝統を守り、次世代へ受け継ぎたい」と事業を進められているくろちく本店天正館さんに伺いました。現代のライフスタイルと融合させた和雑貨やほんものの京都を感じる和柄を活かしたモダンなアイテムの数々を鑑賞しました。
その後、“京の台所”として約400年間京都の人々に愛され、観光客でも活気あふれる「錦市場」を見学しながら、三店目の視察先へ移動しました。
最後の視察先のBento&coさんは、フランス人の社長さんが独自の発想で手掛けられているお店です。曲げわっぱからECOランチボックスまで、私たちにとって小さい頃から馴染みがありながら見過ごしていた伝統に注目して、「日本の伝統文化のお弁当箱とその関連諸品を世界へ発信している」お弁当箱専門店で、マスメディアにもよく紹介されています。日本の和柄のものからモダンなデザインのものまで幅広く取り扱われて、現在では約90カ国に輸出されているそうです。
今回の三店は、京都の歴史の中で、厳しい審判にさらされ続けてきた身近なものを、「ジャパンアイテム」として、現代のライフスタイルの中に新しいブランドとして展開されていました。
少子高齢化、需要減退など厳しい見通しの多い小売業にも、新しい発想と仕組みで新しい需要を創造する楽しさが潜んでいることを実感する視察見学会でした。